「残業ゼロ」の仕事力 吉越 浩一郎
- 作者: 吉越浩一郎
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2007/12/22
- メディア: 単行本
- 購入: 11人 クリック: 271回
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プロダクトマネージャーなどを経て、86年よりトリンプ・インターナショナル・ジャパンのマーケティング本部長に。
毎朝8時半に開かれる「早朝会議」「ノー残業デー」「がんばるタイム」導入など、スピードと効率重視のユニークな制度を次々に取り入れ、19年連続の増収増益を達成。
2006年にトリンプ社長を退任、吉越事務所を設立。現在は夫人の故郷であるフランスに軸足を移しつつ、講演活動などを行っている。
本書では吉越氏の卓越したリーダーシップにより定着化した「早朝会議」や「ノー残業デー」等についての、こだわりの理由や考え方がとても丁寧に著されている。
個人的には、やはり何をするにも、愚直に継続することなのだなと感じた。しかしそれが一番難しいのだ。
本書にある「ノー残業」を定着させるために、吉越氏自らが毎日定時になるとオフィスの電気を消してまわったそうだ。しかも相当な抵抗があったので「半年間」継続で。並の人間(私?)なら1週間程度でギブアップだろうが、この正しいと信じることへのこだわりは見習いたい。
理論だけではない、優れた実績を背景とした吉越氏のマネジメント、リーダーシップのノウハウを知ることができる素晴らしい1冊で、いわゆる管理職と呼ばれているビジネスマンにお薦めの本である。
本書のポイントは以下のとおり。
・「時間内に終わらせなければ残業すればいい」という考え方で対処していると、なぜ仕事が終わらないかという理由がわからず、したがって抜本的な解決も図れないので、常に同じ問題が繰り返し発生し続けることになります。
・つまり問題を顕在化し改善する絶好の機会が、残業によって奪われてしまうのです。
・それでは、なぜ問題は大きくなるのでしょう。
このメカニズムを知るには、問題の構造を知る必要があります。簡単にいうと問題というのは、単独で存在するように見えても、その実体は複数の小さな問題の集合なのです。
・(会議の場で)「なぜこうなるのか」ということを、ありとあらゆる事実と情報を集め、それを使って理詰めで証明する以外、私を納得させる術はないのです。まさに(会議は)毎回が真剣勝負。こういう環境に身をおけば、嫌でもロジカルシンキングが鍛えられる、というわけです。
・会議は長ければ長いほど、多ければ多いほどいい。
だってそうでしょう。
会議をやればそれだけ多くの問題点が発見できるのです。
・社員が、残業はなくすべきだという私の考え方を受け入れるか、それとも私が、残業はいいことなんだ、という社員の強固な思い込みの前に白旗を揚げるのか、根気比べの日々が半年以上続きました。
・大切なことは毎日仕事を終えたあとの3時間あまりを、「自分のために投資する」、と考えることです。
・うまくいかない責任は部下ではなく、部下の意見に左右されるトップにあるのです。
・軍隊という組織の優れたところは、どこにあるのでしょうか。
なんといっても、「敵に勝つ」という組織の目的が非常にはっきりしていて、しかも全員がその意識を共有しているという点です。
・要するに、にぎやかで活気にあふれるオフィスというのは、誰も仕事に集中していない状態なのです。
・仕事は人生そのものではなく、人生の一部です。私にとっての働く意味は「生きていくための必要なお金を稼ぐため」であって、それ以上ではありません。
・仕事は人生と相反するものではなく、人生の中に含まれる。あるいは人生の一部を構成するものでなければならないはずです。
- 作者: 吉越浩一郎
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