40代で始める「最終戦略」ノート―仕事価値&人生価値の最大化26

40代で始める「最終戦略」ノート―仕事価値&人生価値の最大化26のチェックリスト

40代で始める「最終戦略」ノート―仕事価値&人生価値の最大化26のチェックリスト

著者の西山氏は1953年、東京生まれ。
1975年、一橋大学卒業後、東京ガス(株)へ入社しロンドン大学大学院、ハーバード大学大学院修士課程修了。
社内ベンチャー「アーバンクラブ」設立。
法政大学大学院博士課程修了、経営学博士号を取得。
企業経営、人と組織全般、勉強法等にわたる幅広い分野で執筆、講演活動を展開。
現在、東京女学館大学教授。
東京ガス(株)西山経営研究所所長。東京ガス創立120年間で、個人の名前を冠した組織を立ち上げた最初の人物。

以上のようにもの凄い経歴の持ち主だ。

本書の冒頭、「40代になると、8割の人はそれ以上の出世を望めなくなる飽和状態(キャリアプラトー)に到達する。40代で自分の将来がわかり、これ以上会社と個人のベクトルをマッチさせることができにくくなる」と見る人にとっては衝撃的に違いない書き出しで始まる。

しかし本書は、この8割の40代がTOP20%に入るための指南書ではない。8割の人が残りの人生を会社やプライベートで充実して生き抜くことができるように説いた本である。

先に記した経歴から、西山氏はもちろん20%の人なのだが、だからこそ説得力のある迫力でせまる文面だ。

40代の人にお薦めの一冊。

本書のポイントは以下のとおり。

・40代はサラリーマン人生の中間決算をするときである。前半20年の人生をふりかえり、これまでなにが得られて、何を失ったのか。そこから後半20年の人生の方向性を見定め、自己再生していく時期である。

・今、例えば楽天の三木谷さんやソフトバンクの孫さんのような課長がいたら、早くその人を抜擢して、先輩を飛び越してでも部長につけたほうが新しい仕事を作ってくれる。

・会社との距離が生まれることによって、逆に会社以外の部分を充実させて、人生のトータルで幸せをもう一回追及する。仕事や会社というのは自分の生活の部分であって、会社は生きる上でのツール、舞台、見せ場である。

・これから後半20年の買い物は少数のこだわり商品に限定して、より長く使える良質のものを厳選して買う。

・また、もの依存主義から離れて、ことのほうへ向かう。感動する出来事を体験し、味わい、自己の充実の時間を増やす。

・書いた原稿のもちこみはすべて没にする。つてを探して相談からはいることだ。つてが探せない人は、仕事もできないだろう。そんな人の本は読まれない。

・大規模組織で一番大きな仕事というのは、全社的な変革のため、あるいは一部門の目標に他部門を巻き込んでいく部門横断型の仕事をできるかどうかだ。これはすごく難しくなってきている。逆にそこをやっていけば、今までの人があきらめていた課題を解決し、ヒットが出せるということである。

・どうしても出なければいけない会議であれば、二時間の会議でもエッセンスは十分にわかるので、その間聞いているようなふりをして別の仕事をするとか、手帳を使ってスケジュール管理をするとか、構想を練るとかしてする。

・二時間の話をひとつ聞くと、それで得られる知識は大体本一冊分である。

・本を読んだ時には感動しないかもしれないが、人の話を聞くと、目だけじゃなくて耳もあるし、五感を使う。五感を使うことによって、吸収力が良くなる。

40代で始める「最終戦略」ノート―仕事価値&人生価値の最大化26のチェックリスト

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