成功のコンセプト/三木谷浩史

成功のコンセプト

成功のコンセプト

楽天グループの創始者であり現在のCEOである三木谷浩史氏の著作。幻冬舎
開業時のスタッフは6名。
それから、わずか10年――。流通総額1兆円のインターネット企業に発展を遂げた楽天にすべてのビジネスマンが肝に銘ずべき独自の哲学を余すところなく披露。

新しい企業でありながら、その哲学は長い歴史をもつ企業が掲げるようなもの。すなわち、このような哲学はどんな業界、業態、そして業歴に関係ないということなのだろう。

そんななかでも「スピード!、スピード!、スピード!」は斬新さを感じる。
というのは、単に「スピードアップ」とか「時間短縮」と掲げる組織は多いが、「スピード」に「!」をつけ三回繰り返すのは初めて見た。
それだけ今の世の中、スピード!が大事であるにもかかわらず、意識されていないことが多いということなのだろう。

楽天を知るだけでなく、たった10年で一大企業を築いた三木谷氏の考え方、生き方をしるにもお薦めの本である。

この本のポイントは以下のとおり。

1.常に改善、常に前進
改善は人が未来を切り開くための強力なエンジン
マイクロソフト;Windowsを改善した
未来のビジョンを信じて改善を行う
改善は凡人が天才になる方法
1日1%の改善でも1年で37倍(1.01)^365
激変する時代に対応するために必要なのは日々の準備
成功しているときこそ自分を否定する勇気を持つ
適切な目標がなければ改善しても意味はない
Get things done

2.Professionalismの徹底
仕事を人生最大の遊びにできれば、誰でも有能なビジネスマンになれる
人間は遊ぶ動物
仕事は誰のためのものでもなく、自分のためにするものだ
イチロー;野球が好き、もっと上手くなりたい
面白い仕事はない。仕事を面白くする人間がいるのだ
廊下の雑巾がけにも喜びを見いだせる人が新のプロフェッショナル

3.仮説⇒実行⇒検証⇒仕組化
ビジネスは試験と違い、問題に対する正解はない
問題が生じる。その解決方法を考える。それが正しいかはそれを適用して初めて判断できる
仮説・実行・検証・仕組化は人間の本能
仮説は右脳と左脳のキャッチボールから生まれる
右脳から生まれたひらめき
左脳の論理的なフレームワーク
仕組化とは改善を続けられる仕組みを意味する
もう一つは、組織全体での共有化
仮説を立て新しいことにチャレンジ。失敗は一つのデータになる。
積極的失敗を歓迎

4.顧客満足の最大化
全てはお客様のために
顧客満足がなければ事業は成立しない
現代の買い物はエンターテイメント
顧客満足の最大化を忘れてはならない
当事者意識を持つことが様々な問題解決の鍵
従業員満足よりも大事

5.スピード! スピード! スピード!
仕事の質を高めることができる
スピードを上げると、仕事の質も喜びも変わってくる
目標を設定し、常識を忘れていつまでに達成するか決める
今一瞬をいかに大切にして仕事をするかということ

成功のコンセプト

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