お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 /勝間和代

お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

自分が働いてお金を稼ぐのは一般的だが、本書ではお金に働かせるということに慣れていない一般的な日本人に向けて書かれた本。

勝間氏といえば勉強法やグーグル化に代表されるように効率的な時間管理、自己啓発といった分野の本が注目されている。
本書は勝間氏自身が書店で投資に関する本を見ると「誰でも1億円稼げる投資法」とか「必ず成功するFX」といった本しかないことに問題意識を持ち、万人に理解を深めることができることを目的に、光文社へ出版を自ら働きかけたとのことである。

勝間氏は公認会計士でもあり、また外資系金融機関での経歴もあることから、本来はこの分野が第一人者なのであろう。

一般的な人は、お金は銀行や郵便局など元本保証が確実なところに預ける。しかしこれではリスクをとらないのでリターンも少ない。日本人の約5割がこのタイプだそうだ。一方アメリカは11%程度。

この差は、金融リテラシー(*)の深さにあるという。本書はそんなレベルの日本人を意識して書かれたものだと感じる。

金融リテラシー=金融に関する情報や知識を単に学ぶだけでなく、そこで与えられたものを批判的に見ながら自己の金融に対する学習を経験として重ねることで、金融の情報や知識をを主体的に読み解く能力

何事も理論と実践。しっかりとしたリテラシーを身につけるためには、勉強+実践による学びということである。

これは内藤忍氏の「内藤忍の資産設計塾」でも同様に述べられている。

内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法

内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法

世に多くある所謂「稼ぎ本」に比べ、ビッグなリターンはもちろん無いが、本当に一般人向けに書かれた良心的な本であり、銀行預金しかない人、投資の初心者にお薦めの本である。

また勝間氏の論理的な展開には関心させられる。これだけの確かなデータに基づいた理論が展開できるということは、本当にグーグル化が実践されている証でると思う。

究極の本書のポイントは以下のとおり。

金融でしっかり儲ける方法の基本5原則
1.分散投資分散投資分散投資
2.年間リターンの目安として、10%はものすごく高い、5%で上出来
3.タダ飯はない
4.投資にはコストと時間が必要
5.管理できるのはリスクのみ、リターンは管理できない

INDEX

はじめに
第1章 金融リテラシーの必要性
第2章 金融商品別の視点
第3章 実践
第4章 金融を通じた社会責任の遂行
おわりに
参考文献

お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)