ビジネスマンのための「発見力」養成講座 小宮一慶

セブン-イレブンのロゴ、最後のnが小文字なのが見えていましたか?」という一文が気になり求めた本。

本書を買う前だが、セブンイレブンのロゴを改めて見たが、本当に最後のnが小文字だった。つまり「7の文字とELEVEn」となっているのだ。毎日のようにセブンイレブンの前を歩いているし、かれこれ30年以上もその看板を見ているはずであったが、始めて知った。

これに気づかなかった理由は何か。それが本書には書かれいている。

関心があるかないかの違い。看板の文字に関心がなければ気付かない。これはセブンイレブンの看板に限らず、すべての事象に共通である。

JR東海の新幹線の自動改札は乗車券と特急券を同時に入れるが、どんな順番に入れようとも、必ず特急券が上になって出てくる。特急券が上で出てくれば、重い荷物を抱えていてもすぐに何番線で何号車に乗るのかが確認できる。

つまり「お客さま本意」という「判断基準」で見たら、どんなどういう順番で出てくるか気がついたということだ。

何となく物事をやり過ごしがちなことも多いが、本書を読んで、できるだけ多くのことに関心を持ち、視野を広げていきたいものだ。

とてもためになる情報満載でもあり、本書はお薦めの一冊だ。

本書のポイントは以下のとおり。

・人は何万回見ても、見えないものは見えない。
発見力も発想力も基本は同じ。他の人には見えていないものを見る力です。
より正確にいうと、「見える力」です。

・関心を持てば、ものは見えます。
仮説を立てれば、ものは完全に見えます。

・あらかじめ、見ようと決めたものだけが「見える」のです。

・見える力の大原則
(1)気にしていると、ものは見える
(2)思い込みがあると、ものは見えない
(3)人は、自分に必要なことだけを選んで見ている
(4)人は、本当に必要なことを見ていないことも多い

・関心⇒疑問⇒仮説⇒検証

・社員が社内でひとりでも「お客」と言ったとしたら、だめな会社です。いい会社は、社長からアルバイトまで、社内でも、会議やマニュアルでも「お客さま」と呼びます。

・現預金やすぐに売れる有価証券など(手元流動性)は月商の何か月分ありますか?

・物事を根底から考える人にだけ見えていることというのは、実は驚くほどたくさんあるのです。そして、物事を根底まで考えられる人のほうが、実は「WHAT」も多く見えるようになります。

・プロは仮説を持っている。だから、必要な数字や記事が自然に目に飛び込んできて、ふつうの人には見えないものを見ることができるのです。
そして見えるから、さらに突っ込んだ仮説を立て、さらにものが見えるようになるのです。

・問題解決の経験をたくさん積むことです。それが、問題発見の能力になります。

・ものが見える10の小さなヒント
1.先に要点を知る
2.ヒントを先に得る
3.分解する
4.情報を減らす
5.気づいたことをすぐメモする
6.比較する
7.一部を取り替える
8.視点を変える
9.複数で話す
10.素直になる