今、リーダーに求められる資質とは?/鎌田英治

MBAを1科目から学べる社会人向けビジネススクールで有名な「グロービス」のセミナーに参加した。
セミナーは、グロービスグループであるグロービス・オーガニゼーション・ラーニングのプレジデントである鎌田英治氏が講演する、「今、リーダーに求められる資質とは?」。
鎌田がは、事業としての研修活動や2007年8月に「自問力のリーダーシップ」という本を出版する等から培ったリーダーのあり方、リーダーシップとは何かを約1.5hに亘って講義。
内容はとても為になる話ばかりで刺激にもなった。特に印象に残ったのは「組織の成長はリーダーの器で決まる」とうところ。松井選手の言葉ではないが、常に現状に満足せず成長(変化)を心がけて行きたいものだ。でないと自分だけでなく組織に迷惑をかけてしまうからだ。
これだけのセミナーが無料なのはとてもうれしい。また鎌田氏の著作「自問力のリーダーシップ」は昨年読んだ本であるが、ショートストーリーをベースとしてリーダーとしてのあるべき姿、行動指針といったものを示しているお薦めの本でもある。

セミナーでのポイントは以下のとおり。

今、リーダーに求められる資質とは?
□リーダーに関する3つの問い
1.リーダーは何をしているか?(行動、習慣、スタイル)
2.リーダーは何を知っているか?(保有能力、知識、技能)
3.リーダーはどんな人か?(気構え、意識、姿勢)

□自問(自律自省)の大切さ(問題意識のベース)
・変化が激しい今日、自らの意識や気構えのあり方を自問し、自らを律し高めていくことが一層重要に
・リーダーが他社を動かす原動力は、リーダー自らの姿勢を常に質し、問い続ける力にある
□企業経営の命題
・成長し存続すること
□企業成長と人、組織の課題
・誰よりも学び、成長し続ける多くの社員の存在
□松井選手の言葉
・これで大丈夫と思った瞬間にダメになる。現状維持ということはあり得ない。
・進んでいるか、後退しているか、2つに1つしかない
・これで大丈夫、というのは進むことではないので、そう考えた瞬間から、後退が始まることになる
□「リーダーの成長」が持つ意味
・組織の成長はリーダーの器で決まる
□(成長したいという)願望から使命へ(成長しなければならない)
・組織の衰退は、リーダーの奢り、安住から始まる
□難所を超える
・自律自省(自己観照/自問)

  • 定期的にリフレクション、自問自答することによって行動変容に自覚的に向き合う
  • 自らに対する「問い」のフォーマットを予め持っておくことが効果的内面化をもたらす

□毎月の振り返り
・チーム全体の目標(月単位や週単位)や、自らが示すべき個別案件のゴールを明確に示し、関係者(メンバー、他のリーダー、他部門)を十分に巻き込んでいたか?
・関係者(メンバー、他のリーダー、他部門)を巻き込み(任せ、考えさせ)ながら実行計画を明確にしていったか?
・粘り強く実行し、最後まで成果を出すことに拘っていたか?
・振り返りと定着は十分できていたか?
・リーダーは周囲に見られている、組織の文化を創るという自覚のもと、自らが元気よく仕事を楽しみ、あるべき行動を体現できていたか?
□リーダーの心構え、気構え
・リーダーは成長することが使命であるとの自覚が必要だが、自己成長(変化)を楽しむことがそれ以上に重要である
ドラッカーの名言
・今日でも私は「何によって人に覚えられたいか」と自らに問い続ける。これは自らの成長を促す問いである
・なぜならば、自らを異なる人物、そうなりうる人物として仕向けてくれるからである

自問力のリーダーシップ (グロービスの実感するMBA)

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