著者の吉越浩一郎氏は、1992年にトリンプインターナショナルの社長に就任し、2006年に退任。副社長時代を含め19年連続で増収増益に導いた。在任中は「がんばるタイム(12:30〜14:30までは電話、会話禁止)」「ノー残業」「早朝会議」の施策等で強力なリーダーシップを発揮した。

欧米企業に比べ労働時間の長い日本企業については、まだまだ時間短縮の余地があり、ホワイトカラーのやり方、考え方次第でノー残業且つ生産性向上が可能であるとし、本書は吉越氏の経験に裏付けられたノウハウが凝縮されている。

残業ゼロ」の仕事力でも迫力ある書きっぷりだったが本書も迫力ある文面でぐんぐん読者に迫ってくる感じだ。こんな上司と一度は仕事がしてみたい、逆に部下にはこんな上司でありたいと思わせる一冊だ。

□本書のチェックポイント□

・数年前から「KAROSHI」が国際語になっているというのだ。ローマ字表記だと、ピンとこないかもしれない。「そんな日本語あったかな?」と首をひねった人もいるだろう。だが、漢字で書けばすぐわかる。「過労死」である。

・日本以外の国には「SUSHI」や「GEISHA」がないのと同様、「KAROSHI」という現象自体が存在しないのであろう。

・川に飛び込んでから、渡り方を考える

・能力もない管理職ほど情報を隠そうとする。そうでもしないと部下が権威を認めてくれないわけだ。

・自分の意見も他人の意見も平等に扱って、会社のために何が正しいかを客観的に考える必要がある

・迷っているならやってしまえ!

・欧米のビジネスマンにとって、「仕事」の対極にあるのは「遊び」である。

・日本のビジネスマンにとって、「仕事」の対極にあるのは「休み」だ。

・担当者の報告に対して、管理職が鋭く突っ込みを入れ、担当者の判断どおり進めるのか、修正を加えるのか、修正を加えるとすれば、なぜそれが必要なのか、といった最終判断にいたるプロセスをみんなが共有することに、大事な意味があるのだ。

・運に左右される部分があるからこそ、自分たちのちからでやれる八割から九割の部分については、100パーセントやりきっておくことが大切なのだ。

デッドライン仕事術 (祥伝社新書)

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