強運になる4つの方程式 もうダメだ、をいかに乗り切るか/渡辺美樹


居酒屋「和民」を中心に外食産業から介護、学校の理事長までも手広く手がける渡辺美樹氏の著作。
これまで数多くの著作が発表されているが、実は読むのは本書が初めてだった。
雑誌(日経ビジネスアソシエ)では毎回連載を読んでいたので初めてのような気がしなかった。
さて本書は渡辺美樹氏が明治大学を卒業後、佐川急便のドライバーから今日の地位を築くまでの出来事を振り返り、成功することについての方程式を発見し、それを著している。
本書には四つの方程式があり、これは渡辺美樹氏の価値観の反映であり、行動基準となっているのだ。
渡辺氏の運は、決して偶然ではなく、自分のやってきたことに対する結果だという。
第一の方程式は「神様が応援したくなるような努力」
ここでは特に先ほども書いたが、会社設立資金の300万円を稼ぐために佐川急便を、それこそ不眠不休で働いていたことが強調されている。

辞表を出すかどうかは、倒れて意識不明になってから考えようと思っていました。まだ意識があるから大丈夫、意識があるうちは続けようと思ったわけです。

結果論であるが、今日の渡辺氏の成功から、この努力も「神様が応援したくなるような努力」だったというわけだ。
寝不足を補うために、

私は赤信号のたびに睡眠不足を補っていました。

さすがにこれはまずいだろうが、何事もなかったのは神様のおかげか。

神様が応援したくなるような行動が好きになり、それが価値観とか人生観にたどり着くことが大事だという。
人間性を向上するためには、夢を持つ事が大切です。そして、夢を追うプロセスのなかで「ありがとう」を集めることができたら、神様はきっと、夢を追う努力に対し、惜しみなく応援してくれる。

「神様が応援してくれるような努力」、「ありがとうを集める」。良い言葉だと思う。忘れずに意識して実践していきたいと思う。ここを知るだけでも本書を購入する価値は十分ある。
さて第二の方程式以下は以下のとおり。
第二の方程式;原理原則を外さない。
流れに乗ってきたらその流れを維持しセオリー通りに進めること。自分に流れがきているときは、危ない事はしない、無理な手は打たない。
第三の方程式;明るくて人との出会いがある
渡辺氏の恩人ともいうべき人は、元つぼ八社長の石井誠二氏。石井氏のとの出会いがなければ今日の渡辺氏はなかっただろうという影響を与えた人である。その時意識していたのが、第一印象のよさ、特に明るさ、礼儀正しさというものをとても大事に感じたのだという。
第四の方程式;心に一点の曇りもない
心に曇りがあると必ず顔に出る。どうすれば曇りがなくなるか。人にも「自分」にも嘘を言わないことだ。良心に従って、正直に自分らしく生きることだという。

幸運の鍵を握っているのは、ほかの誰でもなく、あなた自身なのです。

池の鯉のように限られた範囲で餌がくるのを待っているようでは運は巡って来ないということだ。自らが主体的に行動して初めて運が開けるというものだと、わかってはいたのだが、改めて認識させられた本だ。
成功した経営者が実際の出来事をベースに書いたものだけあって読んでいて迫力を感じる。モチベーション向上にもつながるので、ぜひともお薦めの一冊だ。

強運になる4つの方程式-もうダメだ、をいかに乗り切るか (祥伝社新書114)

強運になる4つの方程式-もうダメだ、をいかに乗り切るか (祥伝社新書114)